「家は生活するための道具」
というのは、家具デザイナーの小泉誠さん。
そんな小泉さんが設計した住宅が、
完成したと聞き、見に行ってきました。
モスグリーンのガルバ外壁とヒノキの玄関ドア
まずは、ここでびっくり。
玄関の幅が60㎝です。
手前の外物置のドアのほうがドアっぽい(笑)
玄関は、家の顔のようなもの。
控え目に、つつましく。
そんな薄化粧の暮らしが思い浮かびます。
小泉道具店の美人店長さんが出てきました。
メタボの人は少し努力がいりそうです(笑)
この家は、とてもコンパクトです。
だからうまく写真が撮れなかった、
とはじめに言い訳をしておきます(笑)
いわゆるリビングというものはなく、
大きくて動かせるダイニングテーブルが家の中心。
約8畳(吹抜け)の部屋が、
ごはんを食べたり、宿題をしたり、家族の集まる場所です。
カウンターを脚にしているダイニングテーブル。
だから動かせるんです。
上から撮ってみました。
空間の全体像が伝えられず、すいません。
この部屋の照明は、小さなランプ1つだけ。
暗くなるまでいましたが、不自由さはありませんでした。
このランプには、仕掛けがあります。
滑車がついている!
横からみるとこんな感じ。
なんのため・・・?
動くダイニングテーブルといっしょに
ランプも移動できるように。
高さも調整できるように。
小泉さんのスケッチ(許可ととって掲載しています)
小泉さんの遊び心と
生活への配慮がうまくミックスされた
この家の見どころの1つです。
施工は、千葉のタケワキ住宅建設。
大工さんに一番大変だったのは何ですか?
と聞きました。
答えは、ここ。
階段です。
図面を見たときの大工さんの一言は・・・
「階段が浮いている?!」
だったそうです。
側が壁に取り付いていません。
はい、正面の壁から出ている材で
支えているのです。
L型の金物で補強しているから大丈夫なんです
現場監督が、鋼板屋さんと試行錯誤して実現しました。
ちなみに桁は105㎜角。
これにも大工さんは、ぎょっとしたそうです。
たわみを心配して、
もっとセイをとりたい・・・と思ったとのこと。
でも、現場監督は「大丈夫!やろう」と判断。
その心意気に、大工さんも「よっしゃ!」と心意気返し。
できるだけ欠きこみ(欠損)がないようにつくりました。
完成度を高める、つくり手の「心意気」。
なかなか建て主には伝わりづらいもの。
この階段は、ツウ向けの見どころです。
そしてもう1つ。この家のハイライト。
庭に突き出した桟橋のようなデッキ。
その向こうに・・・
残土?
いえ、あれは丘です。
敷地の土を集めて、丘をつくりました。
まだ植栽工事が入っていないので土のまんまですが、
芝生が植えられて小さな丘になる予定です。
元気な姉妹の遊び場です。
実は、この家。
敷地は、58.7坪あります。
ですが、大きな家はつくりませんでした。
予算的なこともあったのですが、
家族4人が生活するうえで
不自由ない広さがあればよいと
建て主さん。
まさに「生活道具」としての家づくりです。
ここは千葉の住宅街。
まわりには、敷地いっぱいに建てた大きな家が並んでいます。
そのようななかに、
建蔽率20%、容積率31%、
建築面積12坪(延床18坪)の家ができました。
こんな感じ。
造園計画図(小泉さんの許可をとって掲載しています)
家よりも丘のほうが大きい?!
小さな家の楽しい暮らし。
建て主さんが、どんなふうにして
住みこなしていかれるのか、今後が楽しみな住宅でした。
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