2015/04/19

三人三様の流儀 取材ツアー②

建築家・竹原義二さんの自邸「101番目の家」を、
好文さん、伊礼さん、ライターの金田さんと訪問しました。


「大地と一体になった建築」と好文さんが言うように、
自然そのもので構成されたような住宅でした。

外観。地下1階、地上2階(ロフト付き)



























敷地は30坪と、決して広くはありませんが、
斜面を利用してトータルで3階建て。
高さは隣の2階建てよりも低くなっています。


写真で見るより、ずっとコンパクトにまとまった住宅です。






















コンクリートの壁に開けられた丸い孔は、室内まで貫通。



格子も1本1本、個性が違うものを組み合わせて。

竹原さんの手にかかると、個性の違うもの同士が、
けんかをせず、美しくまとまります。
















格子戸を開けて中に入ります。



1階は土間とダイニングとキッチン。
好文さんの向こうの壁に孔が見えます。
冬は新聞紙を詰めてあるとのこと(笑)
寒かったら、孔を塞げばよい、という考え方。

小さなはしごは、2階の書斎への近道。






















伊礼さんは、天井高さをチェック。
2000mmくらいかな。

広葉樹の柱と梁は、全部で18種類。
すべて買い手のつかなかった傷物の南洋材を使っています。
柱1本1本が外壁(間にガラスを入れている)。
大胆過ぎる!!!でも美しいからスゴイ。


寒くないですか・・・?

竹「寒いよ。もう慣れた。よその人はみんなうちに来てコートを脱がない・笑」



断熱は・・・?

竹「この家はしていないよ。お客さんの家はちゃんとやるけどね」



キッチンには奥様のメモが





















竹原さんはとても愛妻家です。




















ダイニングから中庭が見えます。
2階に行くには、はしごをのぼるか、
一度、外に出て階段であがります。






















隣家との境の壁には、
鉄板と木材を組み合わせて。






















中庭が上下に部屋と部屋をつなぎます


地下には浴室・洗面室。
そうです、竹原邸は外を通ってお風呂に行きます。

奥様に聞きました。
寒くないですか・・・?

奥様「温かい場所に行けると思うと、寒くない・笑」

とにっこり。





木材の存在感がしっかり伝わってきます。
築12年ということですが、木材が艶々している!


ちなみに施工期間は、なんと1年10カ月!
1つの工務店が、仮枠からコンクリートから、左官まで
全部やったそうです。

それはたいへんだったでしょうね(笑)


窓の向こうは、娘さんの部屋。コンクリート打ち放しで、
やっぱり孔が空いていました(笑)



























窓枠を強調するようにつくるのは、
好文さんや伊礼さんとは違う、竹原流。


















地下には音楽や映画を楽しむ部屋も。
地下といっても傾斜地に建つので、外とつながっています。




地下からはハシゴをのぼって、1階ダイニングへ。
はしごの先の長さが違う、そんな遊び心も楽しい。


家の中をぐるぐる探検して、3人が落ち着いたのは2階の畳の部屋。



















3人3様の建売住宅をやりたいね、との話で盛り上がりました(笑)
同じ金額、同じ条件で3人が建てたら、どんな家が並ぶのでしょう・・・?


畳の部屋のそばにはテラスがあって、
部屋のように家具がしつらえてあります。

 

この家には、部屋と部屋を仕切る建具はありません。
建具は、すべて外と仕切るために使われています。


内部と外部が半分ずつ。 


すべての部屋が外とつながっている家。






寒いとか、暑いとか、バリアフリーだとか、
そういうものを超える空間の魅力を体験しました。